『昔話の深層』(河合隼雄) その2
2005年 06月 08日
前回の続きです。
いくつか印象に残った箇所を挙げてみます。(引用or僕なりの解釈ですが。)
第三章 母親からの心理的自立 ー ヘンゼルとグレーテル
・魔女や継母は、母親の悪い面(子どもの自立を妨げる)の象徴だそうです。
物語に出てくる子ども達は、彼女らの策略をかいくぐり、最終的には退治し
ます。つまり、自立を果たすわけです。
第四章 「怠け」が「創造」をはぐくむ ー ものぐさ三人むすこ
・怠け者の耳は、天啓に対して開かれている。
・現代の多くの「仕事にむかって逃避」している人たちは、仕事を熱心にし、
忙しくするという口実のもとに、自分の内面の声を聞く事を拒否している。
・退行が創造的なものになるためには、現実を見る自我の力が強くなくてはな
らない。
第六章 思春期に何が起きるか ー いばら姫
・娘が否定的な母親コンプレックスをもつとき、そこには二つの危険な方向が
存在する。ひとつは、母親から早く離れたい気持ちが強すぎるため、男性と
の関係が生じるのが早く、それはときには肉の世界への下落、すなわち土な
る母との一体化へとすすみ、結局は否定的な母性の犠牲となってしまう。
他方、母になることをおそれ、自らの女性性をさえ否定しようとする。この
場合、臨床像としてわれわれがよく接するのは、思春期拒食症である。
・女性の心のなかの男性は、母性を敵対視する。どれほどよい母親をもっても
思春期の女性が母親をうとましく感じることはよくある。それは、個人的感
情を超えるものであり、成長の過程として必要なことでさえある。
ーその3へつづく
いくつか印象に残った箇所を挙げてみます。(引用or僕なりの解釈ですが。)
第三章 母親からの心理的自立 ー ヘンゼルとグレーテル
・魔女や継母は、母親の悪い面(子どもの自立を妨げる)の象徴だそうです。
物語に出てくる子ども達は、彼女らの策略をかいくぐり、最終的には退治し
ます。つまり、自立を果たすわけです。
第四章 「怠け」が「創造」をはぐくむ ー ものぐさ三人むすこ
・怠け者の耳は、天啓に対して開かれている。
・現代の多くの「仕事にむかって逃避」している人たちは、仕事を熱心にし、
忙しくするという口実のもとに、自分の内面の声を聞く事を拒否している。
・退行が創造的なものになるためには、現実を見る自我の力が強くなくてはな
らない。
第六章 思春期に何が起きるか ー いばら姫
・娘が否定的な母親コンプレックスをもつとき、そこには二つの危険な方向が
存在する。ひとつは、母親から早く離れたい気持ちが強すぎるため、男性と
の関係が生じるのが早く、それはときには肉の世界への下落、すなわち土な
る母との一体化へとすすみ、結局は否定的な母性の犠牲となってしまう。
他方、母になることをおそれ、自らの女性性をさえ否定しようとする。この
場合、臨床像としてわれわれがよく接するのは、思春期拒食症である。
・女性の心のなかの男性は、母性を敵対視する。どれほどよい母親をもっても
思春期の女性が母親をうとましく感じることはよくある。それは、個人的感
情を超えるものであり、成長の過程として必要なことでさえある。
ーその3へつづく
by ts-1863
| 2005-06-08 14:48
| 絵本